月経関連片頭痛とは(福岡市)
月経関連片頭痛の診断基準(ICHD-3に基づく)
国際頭痛分類第3版(ICHD-3)では、月経に関連する片頭痛は**付録(Appendix)**に記載されています。独立した疾患単位として十分なエビデンスがまだ確立そされていないため、付録に置かれています。主に「前兆のない」タイプが中心ですが、前兆のあるタイプの基準も提案されています。
診断には頭痛日記(少なくとも3回の月経周期を含む)による確認が推奨されます(臨床診断では必須ではありませんが、研究目的では強く推奨)。
1. 前兆のない月経関連片頭痛(A1.1.2 Menstrually related migraine without aura)
診断基準
A. 月経のある女性にみられる発作で、1.1「前兆のない片頭痛」の診断基準と下記Bを満たす
B. 発作は月経3周期中2周期以上で、月経開始日(Day 1)±2日(すなわち月経開始2日前から3日目まで)に生じ、その他の時期にも発作を認める
2. 前兆のない純粋月経時片頭痛(A1.1.1 Pure menstrual migraine without aura)
診断基準
A. 月経のある女性にみられる発作で、1.1「前兆のない片頭痛」の診断基準と下記Bを満たす
B. 発作は月経3周期中2周期以上で、月経開始日(Day 1)±2日(月経開始2日前から3日目まで)にのみ生じ、その他の時期には認めない
補足・注意点
• 月経の定義(ICHD-3):正常な月経周期による子宮内膜出血、または外因性黄体ホルモンの撤退(低用量ピルや周期的ホルモン補充療法など)による出血を含む。
• Day 1は月経開始日、その前日はDay -1。Day 0はない。
• 臨床では「月経関連片頭痛」(他の時期にも発作がある)の方が圧倒的に多いです。純粋月経時片頭痛は比較的まれです。
• 前兆のあるタイプについても、同様の時期基準で「前兆のある純粋月経時片頭痛」「前兆のある月経関連片頭痛」が付録に提案されています。
• 多くの女性が「月経と関連している」と過大に報告する傾向があるため、前向きの頭痛日記による確認が診断の精度を高めます。
これらの基準は、治療方針(特にホルモン療法や短期予防の適応)を考える上で参考になります。正確な診断は医師による問診・診察・日記評価が必要です。