大濠パーククリニック監修

その他の一次性頭痛

  • その他の1次性頭痛とは

    ①労作性頭痛(4.2運動時頭痛あるいは4.3性行為に伴う頭痛)

    何らかの運動で発症するもので以下のような原因で数十分から数時間持続する激しい痛みがあります。肉体運動(重量挙げ、空手、ボクシング、水泳、ランニング)、排便、性行為が原因で、5分から24時間持続する両側、拍動性疼痛、全体から側頭部の頭痛で、時に嘔気あり。体動、咳、暑さ、寒さ、高地で悪化します。
    機序:頭蓋内圧の亢進
    検査:CT等でくも膜下出血の鑑別
    治療法:運動前の準備体操やインデラル投与、インドメタシンなどの鎮痛薬、頭冷やす。

    ②アイスクリーム頭痛(4.5.寒冷刺激による頭痛の中の、『4.5.2冷たいものの摂取または冷気吸息による頭痛』)

    冷たいものが喉元(口蓋や咽頭後壁)を通じる通過するときに生じる頭痛がアイスクリーム頭痛と定義されています。眼窩、鼻根部、こめかみ、前額部に非拍動性の鋭い痛みが生じ30秒から60秒でピークに達し、持続は5分以内で収まります。健常者の30-40%.片頭痛患者の90%に発生するという報告もあります。予防策はこめかみを圧迫すると予防できる可能性がありますが、冷たいものをゆっくりとるのが一番の予防策です。

    ③睡眠時頭痛(4.9以前の時計頭痛あるいは目覚まし時計 頭痛)

    50歳以上で発生し、3ヶ月以上にわたり月10日以上、睡眠時のみに発生し、覚醒後 15 分以上(~180分)持続する軽度~中等度の両側性の鈍痛をきたします。原因は不明で、前頭~側頭部または全体の痛みで、発作頻度は1~2回/日、睡眠後 3 時間の午前1~3 時に出現します。
    治療: 就寝前の一杯のコーヒー(カフェイン)が有効なことがあります。
    なお、片頭痛などの睡眠関連頭痛(睡眠と関連する頭痛)を除きます。

    ④一次性咳嗽性頭痛(4.1)

    咳嗽によって誘発され、約1分(数秒から数分から2時間)持続する両側性(後頭部)の痛みで、主に40歳以上の男性に起こります。咳をするとアセチルコリンが分泌し血管が拡張し頭痛が起こると考えられています。悪心、嘔吐、めまいや睡眠障害を2/3にともないます。咳以外にも、くしゃみ、いきみ、ヴァルサルヴァ手技、大笑いなどによっても頭痛が起こります。
    治療:インドメタシン(50-200㎎/日)が有効です。
    咳嗽性頭痛の60%は1次性ですが、40%は2次性で小脳扁桃が下に落ち込むアーノルド・キアリ奇形I型(小脳や脳幹を伴う)、溶連菌感染症、髄膜炎、硬膜下出血、脳動脈瘤、副鼻腔炎や低髄液圧症候群に随伴して起こります。

    ⑤貨幣状頭痛(4.8)

    頭皮の小領域に持続時間が極めて多様なしばしば慢性となる痛み
    頭皮に1)くっきりとした輪郭で2)大きさと形が一定3)円形または楕円形の3)直径が1から6センチメートルの痛みの領域があり、持続性あるいは間欠的な痛みがある。複数あるいは多巣性に存在している。
    痛みは軽度から中等度(重度)
    発作は数秒、数分、数時間、あるいは数日で、痛みの持続時間は75%が慢性で、3ヶ月以上もありうる。局所の感覚鈍麻、異常感覚、錯感覚、マロディニアあるいは圧痛などが見られる。若干40-50歳代の女性に多く、三叉神経終末枝の限局性神経痛と考えられています。
    治療:特異的な薬剤なし。
    インドメタシン(25mg×2回/日)その他の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS),ラモトリジン、ガバペンチン(900-1800mg)、カルバマゼピンなどの抗てんかん薬や抗うつ薬(アミトリプチリン)などが試みられています。

    その他、咳嗽性、雷鳴、頭蓋外からの圧力(ヘルメットやゴーグル)、牽引(ポニーテール)による、穿通様、貨幣状などがあります。

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