帯状疱疹ワクチンについて
帯状疱疹ワクチンについて
〜 接種を考えている方へ(50歳以上の方)・海外の研究の紹介つき 〜
① 帯状疱疹とは
子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスが、神経の中にずっと隠れています。年齢・疲れ・ストレスで免疫が下がると目を覚まし、痛い発疹が出ます。50歳ころから増え、80歳までに約3人に1人がかかるといわれます。治ったあとも痛みが長く残る「帯状疱疹後神経痛」になることがあります。
② ワクチンの種類と福岡市の自己負担(令和8年度)
【生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)】
回数:1回(皮下注射)
発症予防の目安:約50%(海外の臨床試験)
自己負担:1回 4,900円
主な副反応:注射部位の痛み・腫れ
【乾燥組換え帯状疱疹ワクチン】
回数:2回(2か月以上あけて筋肉注射)
発症予防の目安:50歳以上 約97%、70歳以上 約90%(承認時の臨床試験)
自己負担:1回 12,000円 ×2回
主な副反応:注射部位の痛み・腫れ、発熱・だるさ(1〜3日)
● 対象:50・55・60歳(福岡市の任意接種助成)、65・70・75・80・85歳(国の定期接種、令和9年3月31日まで)
● 免疫が弱くなる病気・お薬の方は、生ワクチンは受けられません。ご相談ください。
● 接種は電話でのご予約が必要です。
③ 大事なお知らせ
● 認知症の予防は、ワクチンの承認された効果ではありません。
● ④はどれも観察研究の報告で、原因と結果の関係はまだ確定していません。
● ワクチンの目的は、帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の予防です。
④ 参考情報:海外の研究報告(認知症との関係)
・イギリス・ウェールズ(生ワクチン):接種した人は、7年間で認知症と新しく診断される割合が約20%少なかった。
Eyting M, et al. Nature 2025
https://www.nature.com/articles/s41586-025-08800-x
・オーストラリア(生ワクチン):接種の対象になった人は、約7年間で認知症と診断される割合が1.8ポイント低かった。
Pomirchy M, et al. JAMA 2025
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2833335
・アメリカ(組換えワクチンと生ワクチンを比較):組換えワクチンの人は、6年間で認知症と診断されずに過ごせた期間が約17%長かった。
Taquet M, et al. Nature Medicine 2024
https://doi.org/10.1038/s41591-024-03201-5
・慎重な見方:これらの結果の数字どうしが合わないと指摘し、別の研究で確かめる必要があるとする分析もあります。
Brain, Behavior, and Immunity 2026
https://doi.org/10.1016/j.bbi.2026.107021
⑤ 考えられている仕組み(まだ仮説です)
❶ ウイルスの再活性化をおさえ、脳の炎症を減らす
❷ ウイルスによる脳の血管の炎症を防ぐ
❸ アミロイドβ(認知症に関わるたんぱく)がたまることとの関係
❹ 組換えワクチンの免疫を高める成分が、体の免疫全体を整える
※ いずれも「そう考えられている」段階で、証明はされていません。
発症予防の目安の出典:各ワクチンの添付文書