花粉症(アレルギー性鼻炎)の検査(View39)と治療法(舌下免疫療法)

<検査法>
①非特異的IgE抗体
 特定のアレルゲンを調べます。
 例:スギ、ヒノキ。ブタクサ、卵白。小麦、そば、ピーナッツ、猫、犬
②View39(39項目のアレルゲン)
ハウスダスト、花粉、食品などのアレルゲンを調べます。
検査費用:約5,000円【3割負担】


<治療法>
① 漢方薬 小青竜湯はじめ各種漢方薬を一日3回食間に服用します。
② 抗アレルギー剤 アレロック、アレグラ、ザイザル、アレジオン、タリオン等抗アレルギー(ヒスタミン)剤を一日 1-2回服用します。眠気など副作用が出る場合もあります。
③ 点鼻薬 アラミスト、ナゾネックス等ステロイド含有点鼻薬(1日1回)は鼻水、くしゃみ,鼻閉に有効です。 リボスチンやザジテン等抗アレルギー点鼻薬(1日4回)は鼻水、くしゃみに有効で1-3日で効果が出てきます。 インタールは効果発現に数日かかりますが、予防的効果あり長期投与できます。
④ 点眼薬 化学伝達物質遊離抑制薬のリボスチン、ザジテンは即効性でかゆみを抑えます。インタールは1週間かかりますが予防的効果あり長期投与できます。エリックスはドライアイ合併時に使いやすいです。 フルメトロン等ステロイド含有点眼薬を2-4回/日使用すると強力な炎症抑制でかゆみ、充血が改善します。
⑤ 鼻閉時 トロンボキサンA2阻害剤のバイナス75mgを1日2回、朝食後及び夕食後(又は就寝前)に経口投与する。ロイコトリエン阻害剤のオノンなども有効です。
⑥ 症状がひどい時は セレスタミン配合錠1錠を1-4回/日使用します。
⑦注射療法 ノイロトロピンという薬剤を1-2回/週のペースで3回から6回皮下や静脈注射します。 あらわれた効果を維持するためには3~4か月ごとに1回の注射を反復します。 これは非特異的減感作療法 (アレルギー反応全体を抑える体質改善剤)と言われています。
作用機序: 好酸球の浸潤を抑え、アレルギー症状の悪化、慢性化を抑える。 マスト細胞の細胞膜の破綻を抑え、マスト細胞からヒスタミンの放出を抑え、アレルギー性鼻炎の症状を改善する。 ヒスタミンに対する抵抗力を与える。
*なお、当院ではステロイド注射はしておりません、ムーンフェイスや副腎機能不全などの副作用が出る可能性が高いためです。
⑧プラセンタ注射もアレルギー疾病には有効です。  (自由診療)
 
<アレルゲン免疫療法(減感作療法,舌下)>

舌下免疫療法(スギ・ダニ アレルギー)
 
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎に対するアレルゲン免疫療法一つで、薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が自宅で毎日服用できるようになりました。
対象年齢:大体5歳以上
治療期間:3年から5年
有効期限 8年
効果:80%に効果あり(20%が症状消失、60%が改善)
条件:採血によるアレルゲン特異的IgE抗体が陽性で、スギ花粉あるいはダニアレルギーと診断された方は保険適応
<受けられない方>
喘息や気管支喘息の症状が強く出ている方
抜歯後など口腔内に傷や炎症がある方
ステロイド、抗がん剤、β阻害薬など特定の薬を使用されている方
<開始時期>
スギ花粉症 6~12月頃
ダニアレルギー性鼻炎  時期の指定はありません。
 <治療法>
(1)アレルゲンの初回投与
当院にてアレルゲンの初回投与をおこないます。
アレルギーの原因物質のエキス(ラムネ状の錠剤)を舌の下に入れ(舌下投与)唾液を1~2分間保持した後、飲み込みます。そのあと5分間は水分摂取やうがい、食事を避ける必要があります。さらに、約30分間、院内で経過を見ます。
(2)2-7日(増量期)
自宅でその翌日から薬は、1日1回、その後5分間はうがい、飲食をひかえてください。7日目に来院して下さい。
(3)8日目以降(維持期)
毎日維持量の薬を投与し続けます。1日1回分を舌下に投与し、これを3~5年間継続します。
 <主な副作用>
現在までのところ、重篤な副作用(アナフィラキシーショック:)が発生した事例はありません。起こっても軽微な症状で、ほとんどが一時的なものです。しかし、もしこのような症状が出て、おさまらない場合はただちに連絡あるいは受診が必要です。
・口内炎、舌の下や口の中の腫れ、かゆみ
・喉や耳のかゆみ
・くしゃみ、鼻水、鼻閉
・頭痛 など
 <費用>
スギ舌下免疫療法は1ヶ月2000円(再診料600円、薬代1300円)程度、
ダニ舌下免疫療法は1ヶ月2500円(再診料600円、薬代1800円)程度になります(3割負担の場合)。
 
18歳以下(高校卒業前3月まで)で福岡市子ども医療費助成制度の適応になる場合は、診察代は1ヶ月500円だけ(検査代含む)、薬剤費用は無料


 
出典:鳥居薬品