色々なデーターはあるが2005年が約3%、2013年で5%(首都圏は8%)位、2016年には15%と言うデーターがあります。2007年の世界ピル普及率は、欧米で30-80%と高く、その理由は、
1)値段が安い
2)幼少時から教育がされている
3)情報が多い(長所・欠点、副作用等)
4)国によっては薬局で購入できる、です。
以下の症状がある場合は、すぐにピルの使用をやめ、医療機関に連絡・受診しましょう。
※緊急対応を要する血栓症の主な症状
下肢の急激な疼痛・腫脹,突然の息切れ,胸痛,激しい頭痛,四肢の脱力・麻痺,構語障害,急性視力障害等
※血栓症が疑われる症状
下肢の疼痛・腫脹・しびれ・発赤・熱感,頭痛,嘔気・嘔吐等
はい。理想的な使用(ほぼ同じ時間に服用する)した場合、避妊に失敗して妊娠する妊娠率は0.3%とかなり低いことから避妊効果はかなり高いです。
参考:他の避妊法による妊娠率は、
コンドーム2%、ペッサリー:6%
薬物添加IUD(リング):0.1~0.6%
リズム法:1~9%
避妊せず:85%
はい。妊娠回避率に差はないようです。ピルの値段は自由診療のため医療機関によってバラバラです。そこで後発品(ジェネリック)の値段が他医療機関の先発品より高いところもあります。
1)フォボアールはマーベロン
2)アンジュ、ラベルフィーユ、トライディオールはトリキュラー
3)ノリニールはシンフェーズの後発品です。
はい、起こる場合があります。嘔吐ほどではありませんが、ピルの副作用で、下痢、便秘、腹痛がおこりえます。軟便ではピルの吸収率に問題ありませんが、水様下痢や下痢を繰り返す場合、ピルの吸収率が効果が低下し、避妊効果が弱まる可能性があります。必要に応じクリニックを受診してください。
尚、下痢が治まってからピル服用を再開して、最初の7日間は他の避妊方法(ピル)を併用してください。
また、ピル服用後3時間以内におう吐した場合はすぐに再度ピル1錠服用してください。
嘔吐が数日続いた場合、おう吐が治まってからピル服用を再開して、最初の7日間は他の避妊方法(ピル)を併用してください。
以下のようにピルの種類によって違いますが、避妊を継続して移動可能です。
1) 実薬(休薬を除く)が1色の、一相性ピルを使用:
早めたい分だけ最後から錠剤を減らします(最大6錠まで減らせる)。
最後の錠剤服用後8日目に次のシートを飲み始めます。
2) 実薬が3色の3相性ピルを使用:
早めたい日数分削除して(最大6錠まで減らせる)飲み始めます。
最後の錠剤服用後8日目に次のシートを飲み始めます。
すでに飲み始めている場合は、最後から早めたい日数分削除します。
最後の錠剤服用後8日目に次のシートを飲み始めます。
低用量ピルの飲み忘れで、緊急避妊ピルを使用した場合には、緊急避妊ピル服用後12時間以内に低用量ピルを再開するように勧められています。
産後の排卵再開は、非授乳婦で最短25日。授乳婦で73日と早いため産後の避妊は重要である。妊娠産褥期の血栓症(VTE)発症の危険度(OR)は、非妊娠時を1とすると,妊娠後期に8.8、産褥1~6週に84.0と高いが、その後産褥7週~3か月に8.9と低下する。そこでピル開始時期は非授乳婦は,他にVTEの危険因子が無い場合は産後21日以降に、他にVTEの危険因子が有る場合は産後42日以降。授乳婦は、産後6 か月以降に服用を開始する。
下痢が一回だけなら大丈夫です。避妊効果はあります。しかし複数回数日続くようなら、下痢の期間中とその後7日間はコンドーム等他の避妊方法を併用してください。
低用量あるいは超低用量ピルの副作用で最も多く認められる副作用が頭痛です。
ピルの使用によって前兆のない片頭痛は24.1-34.8%の悪化、前兆のある片頭痛は18.6-69.2%の症状の悪化を見せるという研究結果もあります。
主にエストロゲンの作用によるものですが、他にも入っているプロゲステロン活性やアンドロゲン活性により出現する副作用も多様です。各ピルに含まれるホルモン量(活性)に注目し、副作用が起こった場合は対応します。
28錠タイプには、7錠の偽薬(プラセボと言い女性ホルモンは含まれません)が付いています。偽薬は毎日服用習慣をつける為と、休薬期間空けの飲み忘れを防ぐために色を変えてます。生理に関係なく、面倒でも毎日飲みます。
一方、21錠タイプは偽薬がない分シートの大きさがコンパクトなピルもあります。価格に違いはありません。
※保険適用のルナベルLD 及びULDは21錠しかありません。
はい、有効です。排卵期には、自律神経のバランスが乱れることによって頭痛、めまい、嘔気、倦怠感、抑うつ、イライラ、などを起こす人には、MgやCaのサプリメント、バナナや大豆製品を多くとる、体を温める、ストレッチの他、低容量ピルを服用し排卵を抑制すのも一つです。
基本的に日本時間を守り、現地時間に置き換える。
例:日本時間朝9時服用の場合、ヨーロッパでは夜24時服用
国によってはサマータイムを導入する場合はそれも考慮
・サマータイム 欧州は3月下旬から10月下旬
米国は3月第2日曜日から11月第1日曜日
ハワイはサマータイムなし
生理初日は「生理が始まってから24時間以内」です。ピル服用は生理開始24時間以内であればその時点から避妊効果があります。一気に出血を見て生理が始まらない場合はどうでしょう。
※︎茶褐色の出血やおりもので始まり生理かどうか判断が困難で数日してピル服用を開始した場合、生理初日から2週間はコンドームなどで避妊ください。
高温・多湿・強い光に長時間を避けて保管してください(室温で、直射日光を避けて下さい)子供の手の届かない場所に保管します。
いいえ、できません。母乳中にピルの成分が検出されることが報告されています。ピルは母乳の量や質を低下させることがあります。
1.OC服用後2時間以内に嘔吐・下痢した女性は,速やかに再度服用する。
2.24時間以上続く嘔吐または重度の下痢が続いている場合は,一旦 OC 服用を中止し,回 復後の対処は, OC の飲み忘れに関する指導(CQ6)に準ずる。
はい、一般的には問題ないと思われます。
チラージン(levothyroxine)使用は、ほとんど問題ないと思われます。しかし、ピルがチラージンの効果を若干弱める可能性があると言われています。そこでとビルとチラージンを同時に内服するのは避けて、時間帯を変えるのをおすすめします。また、メルカゾール(Methimazole)使用は問題ないと思います。
はい。セフェム系ではまず、問題ないと思いますが、ペニシリン系,テトラサイクリン系ではピルの効果が落ちる可能性があるとの報告があります。使用に際しては、医療機関に相談下さい。
いいえ。ピル(OC)とアセトアミノフェンの併用は
1)OCの作用を強める
2)アセトアミノフェンの作用を弱める
3)OCで起こった頭痛を悪化させる
よってOC使用中はアセトアミノフェンは使わず、ブルフェンやロキソプロフェンなどのNSAIs使用が望まれます。
はい、以下の薬は緊急避妊ピルの効果を弱める可能性があり、併用は避けた方がよいです。
・抗結核剤(リファブチン、リファンピシン)、抗真菌剤(グリセオフルビン)
・抗HIV薬(リトナビル)
・抗てんかん薬(フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、カルママゼピン)
・ハーブ(セントジョーンズワース)
はい、以下のように特に性交後12時間以内なら妊娠確率は0.5%と低く、早く服用するほど有効です。
・性交後12時間以内の妊娠阻止率98%、妊娠確率は0.5%程度
・24時間以内の妊娠阻止率95%、妊娠確率は1.5%程度
・72時間以内で妊娠阻止率82% 妊娠確率4.1%程度
・120時間以内でも妊娠阻止率63%程度
以前ヤッペ法という、中容量ピルを使う施設がありましたが、妊娠回避率が低く、副作用が多いことから、5年前にレボノルゲストレルが発売されてからは、こちらを扱っている施設が大部分です。しかし、世界ではレボノルゲストレル以外で160種類を越える緊急避妊薬が販売されています。
その大部分はレボノルゲストレルと同じプロゲスチンが成分ですが、
1) ミフェブリトン:レボノルゲストレルルチコイド作用と抗アンドロゲン作用を有する
2) 酢酸ウリプリスタル:選択的黄体ホルモン受容体調節剤
も販売されてます。
ヤッペ法:ノルゲストレル、エチニルエストラジオールを2錠内服後12時間後に再度2錠内服するやり方で、レボノルゲストレル発売される前に行われていましたが、レボノルゲストレルに比して妊娠阻止率が低く、嘔気などの副作用があらわれる確率が高いため当院では扱っていません。
妊娠率(Lancet1998より) | 妊娠阻止率(Lancet1998より) | 副作用が出ない確率 | |
---|---|---|---|
レボノルゲストレル | 1.1% | 85% | 93.3% |
ヤッペ法 | 3.2% | 57% | 40.1% |
なお、レボノルゲストレルは医薬品副作用被害救済制度※の適応ですが、ヤッペ法(ノルゲストレル、エチニルエストラジオール)は適応になりません。
※医薬品は正しく使っていても、副作用の発生を防げない場合があります。そこで、医薬品(病院・診療所で処方されたものの他、薬局等で購入したものも含みます)を適正に使用したにもかかわらず、その副作用により入院治療が必要になるほどの重篤な健康被害が生じた場合に、医療費や年金などの給付を行う公的な制度が、医薬品副作用被害救済制度です。
効果は体重に関係ないようです。
海外で、体重やBMIが高くなると緊急避妊ピルの効果が下がるという報告が少数見られますが限定的で、一般的には体重やBMIで違いはないようです。
はい。約90%の人が通常と同じ期間(日数)7の出血を見ます。
はい。緊急避妊ピルで使用できない場合妊娠と不正出血があるときだけです。他の内服薬等で禁忌はないので、ステロイド使用でも問題はないと思われます。
排卵前にEC内服→予定月経日の3-5日前に出血
排卵後にEC内服→予定月経日かやや遅れて出血
する可能性が高いですが、21日以上たっても出血しない場合は、妊娠の可能性があります。必ずオシッコでの妊娠反応を確認してください。
EC服用後 12 時間以内にOCを再開するように勧められています。
はい。可能です。
妊娠を回避するために1月経周期中に2回以上ECを使用することが可能です。既に妊娠していた場合、反復投与によって流産が誘発されることありません。EC 投与後 12 時間以内の 無防備な性交渉 については新たな EC投与の必要はありません。
はい、服用後生理用出血がみられるまで控えて頂いた方良いです。
2002年のLancetの文献によると緊急避妊ピル服用後性行為が行われない場合の薬の有効性は、有効率98.6% 妊娠回避率83%に比して、性行為が行われた場合の薬の有効性は、有効率96.9% 妊娠回避率64%と明らかに低下します。よって、避妊具使用の有無にかかわらず、緊急避妊ピル服用後は次回月経様出血がみられるまでは性行為は控えて頂いた方がよいでしょう。
緊急避妊ピルで排卵予定日が遅れ、受精する可能性が出てきます。
はい。
妊娠可能期間(fertile period)は排卵日及びその5日前の6日間と言われていますが、排卵は早くも8日目に、そして月経周期の60日目にも起こったという報告があります。また、生理2日目から30日目まで妊娠したという報告もあります。よって生理2日目から次回生理が来てなければそれまでに、妊娠を望まない場合は使用することを検討してください。
EC服用後不妊になったり、身体的影響はないと言われています。世界的に緊急避妊・ピルの服用経験があるから不妊になる、ということは報告されていません。ホルモン的効果は48時間くらいしかなく長期にホルモンが身体に影響を及ぼしません。
はい、問題ありません。
他院で緊急避妊ピルとしてノルゲストレル、エチニルエストラジオールを1回服用した。・吐き気がひどく2回目(12時間後)のノルゲストレル、エチニルエストラジオール服用をしたくない・2回目のノルゲストレル、エチニルエストラジオールを無くしてしまった。このような場合早急にレボノルゲストレル(厚生労働省が唯一認可した緊急避妊ピル)を1錠服用してください。
BMIが30以上の肥満女性の場合、妊娠する確率が3倍高くなると言う報告がありますが、差がないという報告もあります。
食事との関係はありません。性交後72時間以内それもできるだけ早期に服用ください。
はい、同時処方可能です。まず、緊急避妊薬の説明、服用後、今後の避妊方法に関して説明します。低用量ピル希望者には種類を決めて、服用方法、副作用、飲み忘れ等を説明し、ピルを処方します。
ほとんどないと思われます。ピルによっておこる重篤な副作用の一つは血栓症(心筋梗塞、脳梗塞、下肢静脈血栓症)ですが、血栓症の原因はエストロゲンです。レボノルゲストレルにはエストロゲンが含まれておらず、プロゲステロンのみからなります。なお、ヤッペ法で使用するプラノバールは低用量ピルの前の世代の中用量ピルと言い、多めのエストロゲンが含まれており、1回に4錠と大量に服用するため、血栓症をおかすのリスクはかなり高くなります。
はい、飲酒が緊急避妊ピルの効果に影響は及ぼしません。しかし、飲酒が正常な決断に影響を及ぼす可能性があるため、当日の深酒は避けた方がよいでしょう。
はい、緊急避妊ピルを数回使用する事で健康を害することはないと考えられています。しかし、一般には、頻回に使うものでなく、避妊効果が高い低用量ピルを使うなど他の有効な避妊方法を検討してください。
いいえ。多数の研究がリスクは増えないと報告されています。
いいえ。リスクが増える証明はされていません。
いいえ。
緊急避妊薬の作用で最も多く見られるのは吐き気ですが5%程度です(低用量ピルでは約20%見られます)。その他、めまい、倦怠感、頭痛、胸の張り、不正出血、下腹部痛などかみられますが、48時間で収まります。
はい。
通常、病院の処方薬や市販薬の風邪薬、抗アレルギー剤、抗生物質、鎮咳去痰剤、鎮痛剤を緊急避妊薬と一緒に服用しても問題ありません。