子宮頸がん予防 ワクチンは無料です。(年齢制限あり)
3月4日は、その原因となるウイルスへの感染予防を呼びかける「国際HPV啓発デー」でした。
日本では25歳から40歳の女性のがん死亡の第2位を占めます。
HPVワクチンの接種により、子宮頸がんの原因の90%を防げます。
公費:小学校6年から高校1年相当の女性は、HPVワクチンの定期接種の対象で無料
キャッチアップ:1997年度(H9年4月2日以降)から2007年度生まれの女性も、2025年3月末までは公費で接種を受けられます。
子宮頸がんの予防に効果を発揮するHPVワクチンは3種類
・2価ワクチン(サーバリックス®️)通常5万
・4価ワクチン(ガーダシル®️)通常5万
・9価ワクチン(シルガード®️9) 通常9万
合計2回(15歳未満)または3回の接種が必要です
HPV16/18型が子宮頸がんの原因の50~70%を占めます。
9価ワクチンは、このうち9種類のHPVの感染を防ぐワクチンです。その中でも、子宮頸がんの原因の80~90%を占める、7種類のHPV(HPV16/18/31/33/45/52/58型)の感染を予防することができます。
住民票が登録されている自治体の病院、あるいはクリニックで接種ができます。
大濠パーククリニックでは福岡県内の住民票登録者に可能です。
三叉神経痛
■疫学
女性では5.0~20.2/10万人。男女比は1:2といわれ女性に多く、発症年齢は50歳代以降が多い。
■症状
突然片側の顔面に激しく短いい数秒から2分)痛みが生じる、1日から2か月(平均2週間)で消失します。
■誘発因子
歯磨きや洗顔、ひげそり、喫煙、食事、会話、風が当たる、特定の場所(顔、唇、下などのトリガーポイント)を触れたときなどのわずかな刺激。
■原因
三叉神経が周囲の血管に圧迫されるため
■治療
・カルバマゼピン
初回投与量100mg/dayを1日2回分服または就寝前投与より開始し,2~3日ごとに100mgずつ増量
フェニトイン100mg/day分2または分1就寝前から開始し,数日ごとに100mgずつ増量
バルプロ酸200~400mg/dayを1日2回分割投与から開始する.数日ごとに200mg程度ずつ増量.通常維持量は400~600mg/day
・漢方薬
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■症状
後頭神経痛の多くは大後頭神経(頚椎2(C2)、頚椎3番(C3)から後頭部の頭皮を走行する知覚神経)の痛みです。急に、首のつけ根から後頭部が「キリキリ」と痛み、頭のてっぺんや耳の上や後ろにかけて痛みが走る事もあります。左右いずれかのこともありますが、後頭部全体が痛くなることもあります。間隔は数秒から数時間、一度痛み出すと数日から数週間継続します。ひどい時には、入浴時シャンプーをする時や頭皮を指やヘアブラシで触っただけで、激痛を感じることもあります。片頭痛と違い脈拍と一致しないのが特徴です。後頭部を支配する神経は大後頭神経以外に以下の2つがあり、いずれも 頸神経叢から出ています。小後頭神経は、側頭部で耳の後ろへ走行しており、耳の横か上に痛みがあれば小後頭神経痛です。大耳介神経は、耳の後の付近を支配しており、耳の後ろが痛む場合も後頭神経痛とみなされます。大後頭神経は外後頭隆起(後ろの骨の出っ張り)の外側2.5cm、(天柱のツボ)小後頭神経はさらにその外側2.5cm(風池のツボ)から出ており、これらの神経の出口を圧迫して痛みが増強すれば診断がつきます。
〈随伴症状〉
肩こりや耳鳴り、急に頭を動かした時にめまいを伴うこともあります。痛みがない時に頭皮にしびれ感や違和感を感じる事があります。吐き気は伴いません。■誘発因子
首の運動、くしゃみ、せき
ストレスや低気圧(雨)■原因
黄砂、血管の圧迫、外傷(交通事故の後遺症等)、ヘルペス
頚椎異常(変形、靭帯の不安定性、筋肉の異常硬縮等)、緊張型頭痛、肩こり、枕の高さが合わない、歯の病気(肩甲骨内縁から後頚部の痛み)
前かがみの悪い姿勢(コンピュータ業務、美容師、看護師、エステシャン、料理人)■治療
鎮痛剤(NSAIDs)
抗てんかん薬:
①カルバマゼピン(テグレトールTM®)やガバペンチン(ガバペンTM®)
②クロナゼパム(リボトリール®、ランドセン®)
③アレビアチン(フエ二トイン)
④筋弛緩薬(テルネリン®、ミオナール®)
⑤漢方薬
葛根湯、葛根加朮附湯、桂枝加朮附湯、七物降下湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、川芎茶調散、治打撲一方
⑥トリガーポイント注射
慢性頭痛(薬物乱用頭痛)
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症状
慢性頭痛という表現は、国際頭痛学会の大分類13項目には含まれていません。頭痛発作繰り返され慢性的に続く状態の事です。大きく分けて以下の4つが当てはまります。
①慢性片頭痛
月に15日以上片頭痛がある状態が3カ月以上持続する。②慢性緊張型頭痛
1ヵ月に15日以上(年間180日以上)の頻度生じる。③慢性群発頭痛
1年以上頭痛発作を繰り返し、完解期間が年に1ヶ月未満。④薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛、MOH)
1ヵ月に15日以上あり、3ヵ月を超えてトリプタンなら1ヵ月に10日以上、鎮痛剤なら1ヵ月に15日以上乱用薬物を乱用している。 -
慢性頭痛が起こる危険因子
①遺伝
母親が慢性頭痛、胎児期における母親の飲酒や喫煙習慣。②以下の疾患が共存する
いびきや睡眠時無呼吸症候群
顎関節症
精神疾患(うつ病、不安神経症等)
肥満③外的要因
カフェインの過多摂取
頭部外傷
鎮痛剤の過多使用 -
治療
1.原因薬剤(鎮痛剤やトリプタン製剤)の中止
2.新たなトリプタンの使用
3.予防薬の投与1) 抗てんかん薬
2) 三環系抗うつ薬
3) β遮断薬
4) Ca拮抗薬
5) 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
6) 抗セロトニン薬
7) アンギオテンシン変換酵素( ACE )阻害薬、アンギオテンシンⅡ受容体遮断薬( ARB )
8) ロイコトリエン受容体阻害薬
労作性頭痛
①労作性頭痛(その他の1次性頭痛:4.2運動時頭痛あるいは4.3性行為に伴う頭痛)
何らかの運動で発症するもので以下のような原因で数十分から数時間持続する激しい痛みがあります。肉体運動(重量挙げ、空手、ボクシング、水泳、ランニング)、排便、性行為が原因で、5分から24時間持続する両側、拍動性疼痛、全体から側頭部の頭痛で、時に嘔気あり。体動、咳、暑さ、寒さ、高地で悪化します。
機序:頭蓋内圧の亢進
検査:CT等でくも膜下出血の鑑別
治療法:運動前の準備体操やインデラル投与、ロキソニンなどの鎮痛薬、頭冷やす
群発頭痛
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疫学
1000人に1人(0.056%~0.4%程度)と報告されています。20~40歳代の男性に発症することが多く、男性における有病率は女性の3~7倍(85%は男性)です。最近は女性も増えてきています。
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症状
一側性に眼窩から眼窩上部、側頭部に目をえぐられるような激しい痛みが15分~3時間以内続く、1-2ヶ月以内毎日のように同じような時間帯に起こる(入眠後3時間以内)。隔日から1日8回まで発作が起こることがある。発作は目の充血、流涙、縮瞳、眼瞼下垂、鼻汁や鼻閉、顔面の発汗などの自律神経症状を伴い、痛みで落ち着かず(頭をかきむしったり、ぶつけたりじっとしていられず動き回る)興奮した様を呈する。発作期間中にアルコール飲酒で必ず誘発されます。
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原因とメカニズム
眼球の後ろを走る内頚動脈が拡張し炎症が起こるのではないかと考えられています。原因はわかっていません。
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誘発
アルコールやニトログリセリン。
患者さんの約10~15%は寛解期のない慢性群発頭痛とされています。 -
分類
■反復性群発頭痛
群発頭痛発作が7日~1年間続く群発期があり、群発期と群発期の間には少なくとも1ヶ月の寛解期(頭痛のない時期)があります。
■慢性群発頭痛
群発頭痛発作が1年間を超えて発現し、寛解期がないか、または寛解期があっても1ヶ月未満です。
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治療
急性期にはスマトリプタンの皮下注射が有効ですが、鎮痛剤はあまり効きません。頭痛発作の期間を短くするためにベラパミル、プレドニンやバルプロ酸を併用します。
A.急性期(発作時)
①鎮痛剤はインドメタシン、他のNSAIDs無効
②トリプタン製剤スマトリプタン皮下注射が推奨されています。自己注射をいます
B.予防
①発作型群発頭痛にはベラパミル240 mg3×、発作が起こらなくなり緩解期になった可能性があれば、ベラパミルを1日120 mg に減量して1週間経過をみて、発作の再発がなければ中止します。
②プレドニン (3日毎漸減12日間)ベラパミル無効時併用
40 mg/日、2×3日間→30mg→20㎎→10mg(SE:便秘、徐脈や低血圧)
③バルプロ酸 併用どうしてもコントロールができない場合には、バルプロ酸服用を考慮します。服用量は1日400~600mgにします。