睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome) 大濠パーククリニック
眠っているときに無呼吸状態になる病気で、SAS (Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれています。一晩(7時間)の睡眠中に10秒以上の無呼吸や低呼吸が30回以上起こったり、睡眠1時間あたりの無呼吸数や低呼吸数が5回以上起こる。
【疫学】
・有病率は人口の1~2%(日本全国では約200万人)、95~100kgの肥満の人に多く見られます が、本邦では30%は非肥満者です。一般的には男性の発生率が高いですが、閉経後は性差が縮まります。
近年では、女性の「小あご化」「細あご化」が進んで若い女性で患者さんが増えています。「 舌(中身)」に対して「顎(容れ物)」が小さくて空気の通り道が塞がりやすくなるのです。
・放っておくと高血圧、心・脳疾患(一般人に比べ高血圧症は3倍、急性心筋梗塞は6倍脳梗塞は 10倍起こりやすい)などに陥るといわれています。
・また日中の眠気のために仕事に支障をきたしたり、居眠りによる労災事故や居眠り運転(居眠り 運転を起こす確率は通常の人の4倍)の発生を高めたりする可能性があります。
【睡眠中の症状】
☆無呼吸(家族やパートナーからの指摘)☆寝相が悪い(寝返りが多い)
☆中途覚醒や熟睡障害☆夜間頻尿(2型糖尿病になりやすくなる)
☆こむら返り
【日中の症状】
☆日中の強い眠気☆ 起床時の頭痛(呼吸が止まると、血液中の二酸化炭素濃度が高くなり脳の血 流量が増えて、頭蓋骨の中の圧力が高まることで頭痛が起こります)
☆口渇☆集中力の低下☆ 胸やけや喉の痛み(努力呼吸で腹圧が高まり逆流性食道炎を起こします)
☆性欲低下や勃起不全(ED)(女性の場合は月経不順)
【検査(自宅)】
SASであるかどうかを診断する為に携帯型睡眠ポリグラフ法を行います。
- 検査項目は以下のとおりです。コンピューターで、約1週間で、睡眠時無呼吸症候群である かないかが判定できます。
- 予約制です。睡眠は6時間以上とれる日に検査をして下さい。
- 保険を使う場合3割負担で3000円程度
- 【診断】
- 終夜睡眠時無呼吸症候群と診断された場合:AHIで40以上
- AHIで5~19 歯科でのマウスピース(歯科器具)が有効です。
- 減量(気道周辺の脂肪の重さによる狭窄を改善)や飲酒の制限、禁煙が有効です。
- 横向きに寝る(仰向けに寝ることは、舌根沈下を招くために無呼吸を悪化させる)
- 生活習慣の見直し